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半辺蓮
半辺蓮
(はんぺんれん)
生薬別名  
生薬ラテン名 Lobeliae Chinensis Herba
生薬英名 Chinese Lobelia Herb
科名 キキョウ科 Campanulaceae
基原 ミゾカクシ (アゼムシロ) Lobelia chinensis Loureiro (IPNI:143086-1)
薬用部位 全草
選品  
主要成分 アントシアニン anthocyanins
- Lobelinin (根)

アルカロイド alkaloids
- Isolobelanine
- Lobelanidine
- Lobelanine
- Lobeline
薬理作用 半辺蓮の浸剤を麻酔犬に0.1g/㎏静脈注射すると顕著な持続性の利尿作用があり,同時に血圧降下を伴う.同量を十二指腸に注入するとやはり利尿作用があるが,血圧は下らない.ジエチルエーテル抽出物でも同様の利尿効果がある.開花後の半辺蓮の利尿作用は開花前のものに比べ強く,煮沸しても利尿作用に影響がないが,150℃,24時間熱を加えると効力を失う.正常人にその煎剤を内服さすと,尿量,塩化物およびナトリウム排出量が顕著に増加する.半辺蓮の浸剤を麻酔犬に静脈注射すると,少量で呼吸興奮および血圧やや上昇作用があり,多量では持続性の呼吸興奮および血圧降下作用があり,5時間前後持続する.呼吸興奮作用は頚動脈の化学受容体を興奮させその反射により呼吸中枢を興奮させることによる.血圧降下作用は迷走神経の興奮性を亢め,心臓を直接抑制するものであろう.また多量での血圧降下作用は,血管運動中枢と心筋を直接的に抑制するためであろう.その他マウスの腹腔内に煎剤を注射すると出血時間を短縮させる.またその煎剤は試験管内で抗真菌作用がある.
臨床応用 解毒,止血,利尿,消炎,肉芽形成促進作用があり,癰腫,裂便,蛇虫咬傷,疥癬などに外用し,また哮喘,瘧疾,日本血吸虫病の腹水などに内服する.
頻用疾患 出血, 小便不利, 蛇虫咬傷, 腹水
含有方剤
帰経  
 
 
神農本草経  
中医分類 清熱解毒薬
薬能 利尿消腫,清熱解毒.大腹水腫,面足浮腫,癰腫疔瘡,蛇虫咬傷,晩期吸血虫病腹水に用いる.
薬徴  
備考 北米,カナダ原産の同属植物ロベリアソウ L. inflata L. は古くから「インディアン煙草」と称し,民間的に用いられていた.1775年 Rev. M. Gulter はこれを催吐剤に用い,1807年には Thomson によって喘息に用いられたが,Gulter は1813年その効果を証明し,以来『アメリカ薬局方』に収載されるようになった.『日本薬局方』にも第3版および第4版において,ロベリア草 Lobeliae Herba の名で採用され,喘息,ジフテリア,百日咳などに応用された.その有効成分 lobelin は,1915年 Hermann Wieland によって純粋な結晶が分離された.現在ではほとんど用いられていない.
外部リンク: 民族薬物DB, KNApSAcK
参考文献 主要成分
C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. II, pp. 72-73.
 

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