枸杞子
(くこし)
入手時名称:枸杞子 撮影場所:富山大学 和漢医薬学総合研究所 民族薬物資料館 TMPW No.:12472 |
生薬別名 | 寧夏枸杞, 西枸杞, 津枸杞 |
生薬ラテン名 | Lycii Fructus |
生薬英名 | Lycium Fruit |
科名 | ナス科 Solanaceae |
基原 | - クコ Lycium chinense Miller (IPNI:816389-1) - Lycium barbarum Linné (IPNI:816356-1) |
薬用部位 | 果実 |
選品 | ナガバクコの果実 (西枸杞) が良品で、産量も多い。 |
主要成分 | カロテノイド carotenoids - Zeaxanthin (L. chinense) - Zeaxanthin dipalmitate (L. chinense) その他の含窒素化合物 other nitrogen compounds - Betaine (L. chinense 約0.1%) |
薬理作用 | 血圧降下(アトロピンや迷走神経切除で抑制). 四塩化炭素誘発の肝障害抑制. 副交感神経遮断. |
臨床応用 | 滋養,強壮薬として,肝腎を滋補し,虚老,腰膝の疼痛,無力感,めまい,頭暈,頭痛,消渇などに応用する. |
頻用疾患 | 頭のふらつき, めまい, 耳鳴り, 視力減退, 腰や膝がだるく無力, 疲労感, 精液漏れ, 多涙 |
含有方剤 | 杞菊地黄丸 |
帰経 | 肝, 腎 |
性 | 平 |
味 | 甘 |
神農本草経 | 上品 |
中医分類 | 補養薬 (補陰薬) |
薬能 | 滋補肝腎,益精明目.虚労精虧,腰膝酸痛,眩暈耳鳴,内熱消渇,血虚萎黄,目昏不明に用いる. |
薬徴 | |
備考 | 第十八改正日本薬局方収載品. ・中国では Lycium chinense の果実を「津枸杞」,L. barbarum の果実を「西枸杞」,「寧夏枸杞」と称する.『日本薬局方』ではこれら2種の果実が,『中華人民共和国薬典』ではL. barbarumの果実のみが規定される. ・「地骨皮」はこれらの根皮で,清熱薬にされる.幹皮も用いられることがある. ・枸杞酒は疲労回復に応用される. 外部リンク: 民族薬物DB, KNApSAcK, metabolomics.jp, KampoDB |
参考文献 | 主要成分 C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. I, pp. 285-286. C2) 生薬学概論, p. 232. |