桑螵蛸
(そうひょうしょう)
生薬別名 | 団螵蛸, 黒螵蛸, 長螵蛸 |
生薬ラテン名 | Mantidis Ootheca |
生薬英名 | Egg Capsule of Mantid |
科名 | カマキリ科 Mantidae |
基原 | - コカマキリ Statilia maculata Thunberg (GBIF:1405383) - ウスバカマキリ Mantis religiosa (Linné) (GBIF:6258028) - ハラビロカマキリ Hierodula patellifera Serville (GBIF:1405951) |
薬用部位 | 卵鞘 |
選品 | 形が整い、幼虫が未だ出ず、よく乾燥し、軽くて靭性があり、樹枝や草の茎などがついていないものが良品とされる。 |
主要成分 | 脂質 lipids - Lipoprotein 多糖類 polysaccharides - Glycoprotein カロテノイド carotenoids - カロチン類似の色素 その他 others - Calcium citrate |
薬理作用 | 補腎,固精,利尿作用. |
臨床応用 | 遺精,頻尿,尿失禁,夜尿症のほか,産後の遺尿,帯下,めまい,腰がだるく痛む場合にも用いる.陰痿,精力減退にも応用する.日本では,小児のよだれ止めに焼いて粉にして飲むか,また塗抹して用いたことがあった. |
頻用疾患 | 尿失禁, 夜尿症, よだれ, 腰痛 |
含有方剤 | |
帰経 | |
性 | |
味 | |
神農本草経 | |
中医分類 | 収渋薬 |
薬能 | 益腎固精,縮尿,止濁.遺精滑精,遺尿尿頻,小便白濁に用いる. |
薬徴 | |
備考 | カマキリ科 (Mantidae) の次の4種が原昆虫とされている. (1) オオカマキリ,大刀螂 Paratenodera sinensis DE Saussure (恐らく団螵蛸),(2) コカマキリ,小刀螂 Statilia maculata Thunberg (恐らく黒螵蛸) (3) ウスバカマキリ,薄翅蟷螂 Mantis religiosa L., (4) ハラビロカマキリ,巨斧蟷螂 Hierodula patellifera Serville (恐らく長螵蛸)の卵蛸を乾燥したもの.桑螵蛸には次の3種がある. (1) 団螵蛸(軟螵蛸) : 団塊状を呈し,底面平坦,上面は半円形をなし,隆起帯は不鮮明である.長さ約2.5~4cm,幅2~3cm,表面は淡黄褐色または黄褐色.軽質で柔らかく,靭性あり.断面をみると,最外層は海綿上状で,その内部は多くの放射状に排列した小室があり,各室に楕円形の卵がある. (2) 長螵蛸(硬螵蛸) : 長條形を呈し,底面は平坦または凹入し,上面は凸面状で,その上に帯状隆起があり,両側に1本の褐色または灰褐色の浅い溝がある.一端は他端に比し著しく細くて長い.長さは約2.5~5cm,幅約1~1.5cm,厚さ約1cm.表面は灰褐色で全体に平行した斜紋がある.質は硬く,脆い.断面は13~14列の小型卵室があり,放射状に排列する. (3) 黒螵蛸 : 長螵蛸と似ているが,底面は平らで上面は円形,中部は微かに隆起し,尖端に近い所で僅かに浮き上がっている.表面は紫がかった褐色で,平行の斜紋があり,質は堅く,靭性もあり,折れ難い.断面は卵室が放射状に並ぶ. 外部リンク: 民族薬物DB |
参考文献 | 主要成分 C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. II, pp. 349-351. |