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海人草
海人草
(かいにんそう)
生薬別名 マクリ
生薬ラテン名 Digenea
生薬英名 Digenea
科名 フジマツモ科 Rhodomelaceae
基原 マクリ Digenea simplex C.Agardh
薬用部位 全藻
選品 枝が長く、色が青緑色のものが良く、他の藻類や砂、貝殻などの混入が少ないものほど良い (文献Q1)。
主要成分 その他の脂肪族関連化合物 other aliphatic and related compounds
- Butyric acid
- Citric acid
- Formic acid
- Lactic acid
- Succinic acid
- Tartaric acid

糖質 sugar
- D-Glyceric acid
- α-Mannoside

アミノ酸 amino acids
- Arginine
- Aspartic acid
- Glutamic acid
- Glycine
- Histidine
- Isoleucine
- Leucine
- Lysine
- Phenylalanine
- Valine
- α-Allokainic acid
- α-Kainic acid

ペプチド peptides
- Proline-glutamic acid
- Proline-hydroxyproline-lysine
薬理作用 回虫に強直性痙攣を起こさせ, 運動協調性を失わせる. 自発運動, 呼吸抑制, 一過性血圧下降 (エキス). 中枢興奮作用 (大量のKainic acid).
臨床応用 回虫駆除薬として, 通常煎剤 (10:100)として用いる. 一般に大黄などの下剤と併用. Kainic acidの製造原料.
頻用疾患 回虫
含有方剤 鷓鴣菜湯 , 清肌安蛔湯
帰経  
 
 
神農本草経  
中医分類 駆虫薬
薬能  
薬徴  
備考 第十八改正日本薬局方収載品.
※ 江戸時代に「鷓鴣菜」を「マクリ」と訓じたが,現在の「鷓鴣菜」は「マクリ」ではない.このものは,コノハノリ科(Delesseriaceae)のアヤギヌCaloglossa leprieurii (Mont.) J. Agardhの全藻である.駆虫作用は海人草と同様.
※ 海人草は鷓鴣菜湯,清肌安蛔湯など駆虫を目標とした漢方処方に配合される.
※ Kainic acidの含量は生薬10g中16mg(台湾産)~18mg(沖縄産).alpha-all-okainic acidはalpha-kainic acidの1/100~1/500の含量であり,駆虫作用はあまり強くない.
※ 近年鹿児島県徳之島地方でドウモイと称する海藻が,古くから民間的にマクリより強い駆虫効果があるといわれていることに着目し,これから駆虫成分domoic acidが見いだされた.ドウモイは,表日本南部,ポリネシア,マレー諸島,インド洋に広く分布するフジマツモ科(Rhodomelaceae)のハナヤナギChondria armata (Kutzing) Okamuraである.
Kainic acid,domoic acidはグルタミン酸の部分構造をもち,神経薬理学で注目される化合物である.
外部リンク: 民族薬物DB, metabolomics.jp, KampoDB
参考文献 選品
Q1) 難波 恒雄, 津田 喜典 編: 生薬学概論 (改訂第3版), 南江堂, 東京, 1998.

主要成分
C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. II, pp. 236-238.
 

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