牛黄
(ごおう)
生薬別名 | |
生薬ラテン名 | Bezoar Bovis |
生薬英名 | Oriental Bezoar |
科名 | ウシ科 Bovidae |
基原 | ウシ Bos taurus var. domesticus Gmelin |
薬用部位 | 胆のう中に生じた結石 |
選品 | 外面、内部共に深黄色、軽質で層状に割れ、やや甘味のあるものが良品。オーストラリア産が最良、インド産は劣品 (文献Q1)。 |
主要成分 | 胆汁酸、胆汁アルコール bile acid, bile alcohol - Chenodeoxycholic acid - Cholic acid - Deoxycholic acid アミノ酸 amino acids - Alanine - Arginine - Aspartic acid - Glycine - Leucine - Methionine - Taurine ポルフィリン誘導体 porphyrin derivatives - Bilirubin - Biliverdin |
薬理作用 | 造血. 胆汁分泌促進. 鎮静. 平滑筋収縮,抗炎症 (ペプチド性物質), 強心. |
臨床応用 | 強心, 鎮痙, 鎮静, 解熱, 解毒, 利胆薬として, 熱病で譫語するもの, 驚癇痙攣, 心悸亢進などに応用される. また, 癰腫, 疔瘡, 咽喉腫痛に内, 外用される. |
頻用疾患 | 意識障害, 高熱, 痙攣, 頚部リンパ節腫, 肺化膿症, 虫垂炎, 癌, 皮膚化膿症, 咽喉の腫脹疼痛, 口内炎, ジフテリア性咽頭炎, 慢性肝炎 |
含有方剤 | |
帰経 | 心, 肝 |
性 | 涼 |
味 | 甘 |
神農本草経 | 上品 |
中医分類 | 清熱解毒薬 |
薬能 | 清心, 去痰, 開竅, 涼肝, 息風, 解毒. 熱病神昏, 中風痰迷, 驚癇, 筋肉のひきつり, 癲癇発狂, 咽喉腫痛, 口舌生瘡, 癰腫疔瘡に用いる. |
薬徴 | |
備考 | 第十八改正日本薬局方収載品. 中国で用いられる牛黄配合方剤には,六神丸,牛黄清心丸,安宮牛黄丸,至宝丹,紫雪丹などがある.牛黄を頓服する場合は1回量0.1~0.5gを用いる.牛黄は麝香より開竅の効果が弱いが,清熱解毒の効果をもつことが特徴である. 近年,中国では牛や豚の胆汁から「人工牛黄」を製して代用にしている. 外部リンク: 民族薬物DB, KNApSAcK, metabolomics.jp |
参考文献 | 選品 Q1) 難波 恒雄, 津田 喜典 編: 生薬学概論 (改訂第3版), 南江堂, 東京, 1998. 主要成分 C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. II, pp. 270-273. |