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白頭翁
白頭翁
(はくとうおう)
白頭翁
入手時名称:白頭翁
撮影場所:富山大学 和漢研 民族薬物資料館
TMPW No.:11454

生薬別名  
生薬ラテン名 Pulsatillae Radix
生薬英名 Chinese Pulsatilla Root
科名 キンポウゲ科 Rununculaceae
基原 ヒロハオキナグサ Pulsatilla chinensis Regel (IPNI:20005205-1)
薬用部位
選品 桔梗に似た形をし、褐色で蘆頭に白毛のある太いものが良い。内部の朽ちたものは悪い (文献Q1)。
主要成分 トリテルペン系サポニン triterpenoid saponins
- unspecified (P. chinensis, Pursatilla spp.)

その他 others
- Anemonin
- Protoanemonin
薬理作用 Anemoninは強力な心臓毒で, 少量では心臓の搏動の振幅を縮少し, 大量で心臓を停止させる. 全草中の未知物質は蛙の摘出心臓を用いた実験において明らかに強心作用があり, また, 末梢血管拡張, 内臓神経支配の血管収縮が認められた. 白頭翁の水エキスは抗アミーバ原虫作用がある. それゆえアミーバ赤痢に有効であったという報告がある.
臨床応用 消炎, 収斂, 止血, 止瀉薬として, 熱性下痢, 腹痛, 鼻血, 痔疾出血などに応用される.
頻用疾患 産後の下痢, 出血, 下痢, 腹痛, 鼻血, 痔出血
含有方剤 白頭翁湯
帰経 胃, 大腸
神農本草経 下品
中医分類 清熱薬
薬能 清熱解毒,凉血止痢.熱毒血痢,陰痒帯下,阿米巴痢に用いる.
薬徴 熱利,下重を主治する也。
備考 中国東北諸省では P. turczaninovii Krylov et Serg., P. dahurica Spreng., P. koreana Nakai et Mori などの乾燥根を用いる.かつて市場にあった日本産白頭翁はオキナグサ P. cernua Spreng. の乾燥根で,「和秦ぎょう」とも称されたが,現在は全く市場性がない.また,韓国産白頭翁は P. koreana Nakai et Mori の乾燥根である.中国で「白頭翁」と称される漢薬は10数種あり,その主なものは,キンポウゲ科(Ranunculaceae)の Anemone tomentosa (Maxim.) Pei (甘粛蘭州,天水), Anemone sp. (河南鄭州,陜西),キブネギク A. japonica (Thunb.) Sieb. et Zucc. (四川重慶), A. vitifolia Buch.-Ham. (河南,四川,甘粛,陜西),キク科(Compositae)の Inula cappa DC. (福建福州), Artemisia sp. (湖北孝感), Gerbera piloselloides Cass. (雲南昆明,昭通), Saussurea radiata Fr. (雲南),オオバアザミ Rhaponticum uniflorum (L.) DC. (河南,内蒙古,東北諸省,山西,陜西,湖北), Gnaphalium hypoleucum DC. (四川), G. indicum L. (広西), Anaphalis margaritacea Benth. et Hook. (四川成都), Leontopodium leontopodioides (Willd.) Blauv. (東北安東市),バラ科(Rosaceae)の Potentilla chinensis Ser. (湖北襄陽,武漢,南京市), P. discolor Bunge (南京市,上海市,湖北,福州,北京,浙江蘭谿),ナデシコ科(Caryophyllaceae)の Polycarpaea corymbosa Lam. (広東陽江,南路)などの根または全草である.
外部リンク: 民族薬物DB, KNApSAcK
参考文献 選品
Q1) 一色 直太郎 編: 和漢薬の良否鑑別法及調製法, 吐鳳堂書店, 東京, 1987.

主要成分
C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. I, pp. 57-58.
 

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