莪朮
(がじゅつ)
入手時名称:文朮 撮影場所:富山大学 和漢医薬学総合研究所 民族薬物資料館 TMPW No.:4588 |
植物名:Curcuma zedoaria 撮影場所:日本, 鹿児島県 撮影日時:1995 撮影者:小松かつ子 |
生薬別名 | 莪蒁, 蓬莪朮, 文朮, 桂莪朮, 毛莪朮, 温莪朮 |
生薬ラテン名 | Curcumae Rhizoma |
生薬英名 | Curcuma Rhizome |
科名 | ショウガ科 Zingiberaceae |
基原 | ガジュツ Curcuma zedoaria Roscoe (IPNI:872393-1) |
薬用部位 | 根茎 |
選品 | 大きくてよく肥え、内部がよくしまった、新しいものが良いとされる (文献Q1)。 |
主要成分 | モノテルペノイド monoterpenoids - Cineole - d-Borneol - d-Camphene - d-Camphor - α-Pinene - 1,4-Cineole セスキテルペノイド sesquiterpenoids - Curcolone - Curcumadiol - Curcumenol - Curcumenone - Curcumol - Curdione - Curzeone - Curzerene - Curzerenone - Dehydrocurdione - Furanodiene - Furanogermenone - Germacrone - Isocurzerene - Procurcumenol - Zederone - Zedoarol - Zingiberene - (4S,5S)-(+)-Germacrone 4,5-epoxide - 13-Hydroxygermacrone |
薬理作用 | 血管弛緩作用,抗炎症作用. |
臨床応用 | 芳香性健胃,興奮,駆風,鎮痛,通経薬として,消化不良,疝痛,経閉などに応用する. |
頻用疾患 | 腹腔内腫瘤, 無月経, 月経痛, 産後瘀阻, 打撲外傷による腫脹・疼痛, 腹痛, 腹満, 悪心, 嘔吐, 癌 |
含有方剤 | 浄腑湯 |
帰経 | 肝, 脾 |
性 | 温 |
味 | 苦, 辛 |
神農本草経 | |
中医分類 | 理血薬 (活血去瘀薬) |
薬能 | 行気破血,消積止痛.癥瘕痞塊,瘀血経閉,食積脹痛,早期子宮頚部癌に用いる. |
薬徴 | |
備考 | 第十八改正日本薬局方収載品. 中国医学ではCurcuma属植物の地下部を根茎と塊根とに分け, 異なる名称が付けられる. C. phaeocaulis Val. の根茎は「蓬莪朮」(莪朮, 文朮), 塊根は「緑絲郁金」, C. kwangsiensis S. G. Lee et C. F. Liang の根茎は「広西莪朮」(桂莪朮, 毛莪朮), 塊根は「桂郁金」, C. wenyujin Y. H. Chen et C. Ling の根茎は丸ごとのものを「温莪朮」, 縦切片としたものを「片姜黄」, 塊根を「温郁金」と称する. 各種の主産地はそれぞれ四川省, 広西壮族自治区及び浙江省. 『中華人民共和国薬典』に収載される「莪朮」はこれら3種の根茎である. 一方日本国内では, 鹿児島県や沖縄県を中心に「莪朮」を栽培しており, 多くが直接家庭薬原料にされる. 学名は『日本薬局方』によればC. zedoaria Roscoeとされる. 莪朮の学名は複雑である. 中国では「蓬莪朮」の学名として, C. zedoaria Roscoe, C. caesia Roxburgh 或いは C. aeruginosa Roxburgh が充てられてきたが, 根茎の色, 苞片の色等からこれらの学名が適切でないことがわかり, 1989年に C. phaeocaulis Val.と改められた. 日本では生薬として中国産莪朮を使用することが多く, その原植物により品質が左右される. 外部リンク: 民族薬物DB, KNApSAcK, metabolomics.jp |
参考文献 | 選品 Q1) 一色 直太郎 編: 和漢薬の良否鑑別法及調製法, 吐鳳堂書店, 東京, 1987. 主要成分 C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. I, pp. 137-139. C2) 生薬学概論, p. 323. |
遺伝子領域
Gene Region | |||||||||||||||||||
Nuclear | Chloroplast | Mitochondria | |||||||||||||||||
基原 | 5Ss | 18S | ITS1 | 5.8S | ITS2 | 26S | others | trnH-psbA | matK | trnK | trnK-rps16 | trnT-L | trnL | trnL-F | rbcL | rpoC1 | ndhF | others | |