乳香
(にゅうこう)
生薬別名 | |
生薬ラテン名 | Olibanum |
生薬英名 | Frankincense |
科名 | カンラン科 Burseraceae |
基原 | - Boswellia carteri Birdwood (IPNI:127038-1) - Boswellia bhaw-dajiana Birdwood (IPNI:127035-1) - Boswellia neglecta S.Moore (IPNI:127056-1) |
薬用部位 | 幹から滲出した含油ガム質 |
選品 | 淡黄色透明で、円い粒状のものが良品とされる (文献Q1)。 |
主要成分 | 多糖類 polysaccharides - Arabic acidのCa塩 - Arabic acidのMg塩 モノテルペノイド monoterpenoids - Limonene - α-Phellandrene - α-Pinene - β-Phellandrene - β-Pinene トリテルペノイド triterpenoids - α-Boswellic acid - β-Boswellic acid その他 others - Bassorin - Olibanoresene - 苦味質 |
薬理作用 | 抗菌,鎮静,消炎. |
臨床応用 | 鎮痛,消炎薬として,経閉経痛,打ち身,癰疽瘡瘍,心腹諸痛,寒湿による痺痛などに応用される.古くは薬用のほか,宗教上の薫香料とされたが,今日では専ら香料の原料とされる. |
頻用疾患 | 月経痛, 腹痛, 打撲外傷による腫脹・疼痛, 皮膚化膿症, 創口が閉鎖しない |
含有方剤 | 丁香柿蒂湯 |
帰経 | 心, 肝, 脾 |
性 | 温 |
味 | 辛, 苦 |
神農本草経 | |
中医分類 | 活血去瘀薬 |
薬能 | 活血定痛,消腫生肌.胸痺心痛,胃腹疼痛,痛経経閉,産後瘀阻,癥瘕腹痛,風湿痺痛,筋脉拘攣,跌打損傷,癰腫瘡瘍に用いる. |
薬徴 | |
備考 | 春,夏両季に採集されるが,通常春季に,樹皮に下から上に向かって順次切傷をつけ,また傷口にそって小溝をつけ,傷口から滲出した樹液を溝に流入させ,数日後凝固した団塊を収集する.できるだけ樹上についているものを取る.地上に落ちたものは土砂が混入するので品質が劣る. 羊乳香:ウルシ科(Anacardiaceae)のPistacia lentiscus L.から得られる樹脂で,マスチックである. 外部リンク: 民族薬物DB, KNApSAcK, KampoDB |
参考文献 | 選品 Q1) 一色 直太郎 編: 和漢薬の良否鑑別法及調製法, 吐鳳堂書店, 東京, 1987. 主要成分 C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. II, pp. 210-212. |