五倍子
(ごばいし)
生薬別名 | |
生薬ラテン名 | Galla Rhois |
生薬英名 | Chinese Gall |
科名 | ウルシ科 Anacardiaceae |
基原 | ヌルデ Rhus javanica Linné (IPNI:70622-1) |
薬用部位 | 虫えい |
選品 | |
主要成分 | タンニン tannins - Decagalloylglucose - Gallic acid - Heptagalloyl-β-glucose - Hexagalloyl-β-glucose - Nonagalloylglucose - Octagalloyl-β-glucose - Pentagalloyl-β-glucose - m-Digallic acid |
薬理作用 | 収斂作用(tannin).殺菌作用(煎剤:黄色ブドウ球菌,鏈球菌,肺炎球菌,チフス菌,パラチフス菌,痢疾桿菌,炭疽桿菌,ジフテリア菌,緑膿桿菌,in vitro). |
臨床応用 | 収斂止瀉,鎮咳,止血,止汗薬として,久しい下痢,肺虚の久咳,消渇,盗汗,下血,脱肛,遺溺泄精,便血,多汗,金瘡出血などに応用する.現在ではほとんど薬用としない. |
頻用疾患 | 下痢, 咳, 出血, 盗汗, 下血, 痔出血, 脱肛, 多汗, 痰, 外傷出血, 皮膚疾患 |
含有方剤 | |
帰経 | 肺, 大腸, 腎 |
性 | 寒 |
味 | 酸, 渋 |
神農本草経 | |
中医分類 | 収渋薬 |
薬能 | 斂肺降火,渋腸止瀉,斂汗,止血,收湿斂瘡.肺虚久咳,肺熱痰嗽,久瀉久痢,自汗盗汗,消渇,便血痒血,外傷出血,癰腫瘡毒,皮膚湿爛に用いる. |
薬徴 | |
備考 | 本品はウルシ科 (Anacardiaceae) のヌルデ Rhus javanica L. (= R. semialata Murr.; R. chinensis Mill.) の若芽や葉上に,アブラムシ科 (Aphididae) のヌルデシロアブラムシ Schlechtendaria chinensis Bell (= Melaphis chinensis Bell) が寄生し,その刺激によって葉上に成長した嚢状虫えいを少時熱湯に浸した後乾燥したもの.不規則な菱角状で,わずかに瘤状突起があり,また角状分枝があるので,中国では「角倍」,「花倍」または「菱倍」と称する.日本では一般に「木附子」といい,瘤状突起のあるものを「耳附子」,分枝の多いものを「花附子」と称している. 外部リンク: 民族薬物DB, KNApSAcK |
参考文献 | 主要成分 C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. II, pp. 223-226. |