巴豆
(はず)
入手時名称:巴豆 撮影場所:富山大学 和漢研 民族薬物資料館 TMPW No.:1940 |
生薬別名 | |
生薬ラテン名 | Crotonis Semen |
生薬英名 | Croton Seed |
科名 | トウダイグサ科 Euphorbiaceae |
基原 | ハズ Croton tiglium Linné (IPNI:343631-1) |
薬用部位 | 種子 |
選品 | 辛烈な味があり、油分の多い、重くて新しいものが良い。水に浮かぶものは悪い (文献Q1)。 |
主要成分 | 脂肪酸関連化合物 fatty acids related compounds - Arachidic acid - Croton resin - Crotonic acid - Lauric acidのglycerides - Linoleic acid - Oleic acid - Palmitic acid - Stearic acid - Tiglic acid ジテルペノイド diterpenoids - 12-O-Acetylphorbol-13-decanoate - 12-O-Decanoylphorbol-13-(2-methylbutyrate) - 12-O-Tetradecanoylphorbol-13-acetate その他の含窒素化合物 other nitrogen compounds - Crotin - Croton-albumin |
薬理作用 | 峻下作用 (phorbol エステル). HIV-Iウイルスによる細胞変性の抑制作用, プロテインキナーゼCの活性化(発癌活性). |
臨床応用 | 峻下薬, 吐薬. 通常丸剤, 乳剤として使用する. 生理作用が強烈であるので使用上細心の注意が必要である. 巴豆油は皮膚刺激薬として軟膏にし凍傷予防に用いる. |
頻用疾患 | 腹痛, 腹満, 便秘, 四肢の冷え, 腹が冷えて痛む, 意識障害, 腹水, 尿量減少, 胸が苦しい, 多汗, 痰づまり, 皮膚化膿症 |
含有方剤 | 九痛丸 , 三物白散 , 紫円 |
帰経 | 胃, 大腸 |
性 | 熱 |
味 | 辛 |
神農本草経 | 下品 |
中医分類 | 瀉下薬 |
薬能 | 蝕瘡に外用する.悪瘡疥癬,疣痣に用いる.大毒あり. |
薬徴 | |
備考 | 通常,果実で輸入される.『中華人民共和国薬典』ではハズの成熟果実が規定される. 作用は極めて激しく副作用として腸出血をともなう.近年,巴豆のメタノールエキスから,HIV-Iウイルスによる細胞変性を抑制する成分が見い出されている. 外部リンク: 民族薬物DB, KNApSAcK |
参考文献 | 選品 Q1) 一色 直太郎 編: 和漢薬の良否鑑別法及調製法, 吐鳳堂書店, 東京, 1987. 主要成分 C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. I, pp. 194-195. C2) Chem. Pharm. Bull., 47, 1346-1347 (1999). [PMID: 10517016] C3) Phytochem., 53, 457-464 (2000). [PMID: 10731023] |