胡椒
(こしょう)
生薬別名 | |
生薬ラテン名 | Piperis Nigri Fructus |
生薬英名 | Pepper Fruit |
科名 | コショウ科 Piperaceae |
基原 | コショウ Piper nigrum Linné (IPNI:682369-1) |
薬用部位 | 未成熟果実 (黒),成熟果実 (白) |
選品 | 新しく、大粒で、辛味の強いものが良品 (文献Q1)。 |
主要成分 | モノテルペノイド monoterpenoids - Limonene - Linalool - Myrcene - Sabinene - d-Limonene - delta-3-Carene - l-Limonene - l-α-Phellandrene - α-Pinene - β-Pinene セスキテルペノイド sesquiterpenoids - Caryophyllene oxide - β-Caryophyllene - delta-Cadinene その他の芳香族誘導体 other aromatic derivatives - Chavicine - Piperine - Piperoleine A - Piperoleine B - Piperyline |
薬理作用 | 胃腸蠕動促進.鎮静,抗炎症,抗マラリア(中程度)作用,GST誘導能(beta-Caryophyllene);抗癌,GST誘導能(Caryophyllene oxide) |
臨床応用 | 発汗,駆風,健胃薬として,胃弱,消化不良,反胃吐食,下痢,腹痛などの症状に内服または臍上に膏薬として外用する.一般に薬用には白胡椒を用いる. |
頻用疾患 | 消化不良, 胃腸虚弱, 嘔吐, 上腹痛, 食欲不振, 下痢 |
含有方剤 | |
帰経 | 胃, 大腸 |
性 | 熱 |
味 | 辛 |
神農本草経 | |
中医分類 | 温裏薬 |
薬能 | 温中散寒,下気,消痰.胃寒嘔吐,腹痛泄瀉,食欲不振,癲痢痰多に用いる. |
薬徴 | |
備考 | コショウの未成熟果実を乾燥したものを 「黒胡椒」 といい,成熟果実の外果皮を去って乾燥したものを 「白胡椒」 という.黒胡椒は成熟前の果実を穂ごと採集し,手でもんで果実を花穂から分け,熱湯に入れ表面が黒化したら引き上げて乾燥する.白胡椒は成熟した果実を袋に入れて流水中に一週間ほど浸し,果皮や果肉を洗い去って,残った種子を乾燥したものか,あるいは黒胡椒の果皮と果肉を去ったものをいう.コショウは南インドが原産地で,ヨーロッパへはB.C.400年頃,中国へは唐代の頃に渡来した.ヨーロッパの大航海時代の先鞭をつけた植物で,一時 (15世紀後半~16世紀)は金と同等の価値がもたれたことがあった. 外部リンク: 民族薬物DB, KNApSAcK |
参考文献 | 選品 Q1) 難波 恒雄, 津田 喜典 編: 生薬学概論 (改訂第3版), 南江堂, 東京, 1998. 主要成分 C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. I, pp. 295-296. C2) J. Essent. Oil Res., 12, 603-608 (2000). |