苦楝皮
(くれんぴ)
生薬別名 | 川楝皮 |
生薬ラテン名 | Meliae Cortex |
生薬英名 | Melia Bark |
科名 | センダン科 Meliaceae |
基原 | - トウセンダン Melia azedarach var. toosendan Makino - トキワセンダン Melia azedarach var. azedarach |
薬用部位 | 樹皮または根皮 |
選品 | なるべく褐色の外皮の少ない、黄色の内皮のみで、平たくて大きいものが良い (文献Q1)。 |
主要成分 | ジテルペノイド diterpenoids - Nimbiol トリテルペノイド triterpenoids - Ascarol - Margosin - Melianol - Melianone - Meliantriol - Nimbin - Sendanin - Toosendanin ステロイド steroids - Melianin A - Melianin B タンニン tannins - Catechol フェノール系化合物 phenol derivatives - Vanillic acid |
薬理作用 | 苦楝皮のアルコール・エキスと中性樹脂は,豚蛔虫の頭部に対して麻痺作用を有する.根皮の5%煎剤はミミズを約1時間後にやや衰弱させ,1日で死に至らしめる.アルコール・エキスは30分で衰弱,2時間で死に至る.Ascarol には駆虫作用があり,また vanillic acid にも駆虫作用がある.クマリン誘導体10,000倍濃度を含む改変ロック氏液中に,豚回虫を入れ,38℃で初め興奮し,のち次第に不規則な運動をし,5時間後には運動停止し,棒状状態となり,48時間後においても動きがない.その他駆虫作用の成分は中性樹脂部であるとの報告もある. |
臨床応用 | 駆虫薬として,蛔虫症に用いる.また皮膚疾患に外用する. |
頻用疾患 | |
含有方剤 | |
帰経 | |
性 | |
味 | |
神農本草経 | |
中医分類 | 駆虫薬 |
薬能 | 驅虫療癬.蛔蟯虫病,虫積腹痛に用いる;疥癬蚤痒に外用する. |
薬徴 | |
備考 | 四川省に多く産するので「川楝皮」とも称する.湖北省の一部では根皮も用いる.また上海では果皮を苦楝皮とする場合もある.かつて四川省広安県で市販されていた川楝皮は,ニガキ科(Simarubaceae) の Picrasma quassioides Benn. の樹皮であったという報告がある.またインドでは同属の Melia azadirachta L. (= Azadirachta indica A. Juss. :Neem または Margosa という)の樹皮を苦味強壮,収斂,周期的熱病薬として重用している. 外部リンク: 民族薬物DB, KNApSAcK |
参考文献 | 選品 Q1) 一色 直太郎 編: 和漢薬の良否鑑別法及調製法, 吐鳳堂書店, 東京, 1987. 主要成分 C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. II, pp. 161-163. |