冬瓜子
(とうがし)
入手時名称:冬瓜子 撮影場所:富山大学 和漢医薬学総合研究所 民族薬物資料館 TMPW No.:2061 |
生薬別名 | 子冬瓜子 |
生薬ラテン名 | Benincasae Semen |
生薬英名 | Benincasa Seed |
科名 | ウリ科 Cucurbitaceae |
基原 | - トウガン Benincasa cerifera Savi (IPNI:291513-1) - Benincasa cerifera forma emarginata K.Kimura et Sugiyama |
薬用部位 | 種子 |
選品 | 辺縁が肥厚した、色の白い、よく実って、新しいものが良いとされる (文献Q1)。 |
主要成分 | 脂質 lipids - 脂肪油 サポニン saponins - unspecified (1.0%未満) ペプチド peptides - 蛋白質 |
薬理作用 | 未詳. |
臨床応用 | 鎮咳,去痰,排膿,消炎性利尿薬として,熱痰がからまった時,咳嗽,肺癰,腸癰,水腫,内臓の化膿症などに応用する. |
頻用疾患 | 咳嗽,肺化膿症痰づまり,痰に血が混ざる,虫垂炎,尿の混濁,排尿痛,排尿困難,帯下 |
含有方剤 | 大黄牡丹皮湯 , 腸癰湯 , 騰竜湯 |
帰経 | 肺, 胃, 大腸, 小腸 |
性 | 寒 |
味 | 甘 |
神農本草経 | 上品 |
中医分類 | 清化熱痰薬 (化痰薬) |
薬能 | 清熱化痰,消癰,排膿,利湿.痰熱咳嗽,肺癰,咳吐膿血,腸癰,闌尾炎,淋濁,白帯に用いる. |
薬徴 | |
備考 | 第十八改正日本薬局方収載品. 『第十七改正日本薬局方』では基源としてトウガン Benincasa cerifera Savi 又は B. cerifera Savi forma emarginata K. Kitamura et Sugiyama の種子が規定される.B. cerifera は B. hispida の異名である.本種は果実の表面に蝋が析出し,種子の表面がビロウド状を呈し,種子周辺に隆起帯のあるもの(双辺冬瓜子)である.一方果実の表面に蝋を析出せず,種子の表面が平滑で隆起帯のないもの(単辺冬瓜子)があり,これの原植物を B. cerifera forma emarginata とする. 『中華人民共和国薬典』(2015年版)には「冬瓜子」は収載されず,「冬瓜皮」が収載される.冬瓜皮(dongguapi, Exocarpium Benincasae)は B. hispida の果皮の外層で,利尿消腫薬として,水腫脹満,小便不利,暑熱口渇,小便短赤に応用される. 外部リンク: 民族薬物DB, KNApSAcK, metabolomics.jp, KampoDB |
参考文献 | 選品 Q1) 一色 直太郎 編: 和漢薬の良否鑑別法及調製法, 吐鳳堂書店, 東京, 1987. 主要成分 C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. I, pp. 219-220. |