烏薬
(うやく)
入手時名称:烏薬 L. strychnifolia F. Vill. 撮影場所:富山大学 和漢研 民族薬物資料館 TMPW No.:505 |
生薬別名 | 天台烏薬 |
生薬ラテン名 | Linderae Radix |
生薬英名 | Lindera Root |
科名 | クスノキ科 Lauraceae |
基原 | テンダイウヤク Lindera strychnifolia Fernández-Villar (IPNI:465455-1) |
薬用部位 | 根(肥大根) |
選品 | 両端が尖って、中部が膨隆し、外部が赤褐色、内部が白色のものをくくり様又は芋様と言い、上等とされる (文献Q1)。 |
主要成分 | その他の脂肪族関連化合物 other aliphatic and related compounds - Linderic acid テルペノイド (精油) terpenoids (essential oils) - Chamazulene - Curzerene - Isolinderene - Lindenenone - Linderane - Linderazulene - Linderene - Lindestrene - l-Borneol アルカロイド alkaloids - Laurolitsine |
薬理作用 | 腸管蠕動運動促進. |
臨床応用 | 芳香性健胃,鎮痛,鎮痙,強精薬として,胸脇脹痛,腹部冷痛,消化不良,膀胱が冷えて小便頻数などの症に応用する. |
頻用疾患 | 腹が冷えて痛む, ヘルニア, 呼吸困難, 呼吸促迫, 腹満, 月経痛, 頻尿, 夜尿症 |
含有方剤 | 烏薬順気散 , 烏苓通気散 , 芎帰調血飲 , 芎帰調血飲第一加減 , 十六味流気飲 , 八味疝気方 |
帰経 | 脾, 肺, 腎, 膀胱 |
性 | 温 |
味 | 辛 |
神農本草経 | |
中医分類 | 理気薬 |
薬能 | 順気止痛,温腎散寒.胸腹脹痛,気逆喘急,膀胱虚冷,遺尿尿頻,疝気,痛経に用いる. |
薬徴 | |
備考 | 第十八改正日本薬局方収載品. テンダイウヤクは中国原産で, 秦代に徐福が日本の南紀にもたらしたとの伝説があり, 日本の暖地に野性化している. 外部リンク: 民族薬物DB, KNApSAcK, metabolomics.jp, KampoDB |
参考文献 | 選品 Q1) 一色 直太郎 編: 和漢薬の良否鑑別法及調製法, 吐鳳堂書店, 東京, 1987. 主要成分 C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. I, pp. 127-128. C2) 生薬学概論, p. 309. |