牡蛎
(ぼれい)
入手時名称:牡蠣 撮影場所:富山大学 和漢医薬学総合研究所 民族薬物資料館 TMPW No.:9086 |
生薬別名 | 牡蠣 |
生薬ラテン名 | Ostreae Testa |
生薬英名 | Oyster Shell |
科名 | カキ科 Ostreidae |
基原 | カキ Magallana gigas (Thunberg) (GBIF:7820753) =Ostrea gigas Thunberg |
薬用部位 | 貝殻 |
選品 | 新しいものが良品。灰色のものを鼠様 (ネズミデ)、白色のものを吉益様 (ヨシマスデ) という (文献Q1)。 |
主要成分 | その他 others - Ca3(PO4)2 - CaCO3 - Fe2O3 - Mg - Al塩 |
薬理作用 | カキ肉: 血糖下降 (牡蠣身エキス), 免疫増強作用 (中性多糖類). 牡蠣: 制酸, その他未詳. |
臨床応用 | 制酸,止渇,止汗,鎮静薬として胃散過多症,盗汗,夢精,瘰癧,精神不安定症などに応用する. |
頻用疾患 | 驚きやすい,焦燥,不眠,多夢,動悸,ひきつり,頭のふらつき,頭痛,耳鳴り,しびれ,自汗,盗汗,精液漏れ,不正性器出血,月経過多,帯下,頸部リンパ節腫,胃痛 |
含有方剤 | 安中散 , 安中散加茯苓 , 桂枝加竜骨牡蛎湯 , 桂枝甘草竜骨牡蛎湯 , 桂枝去芍薬加蜀漆竜骨牡蛎湯 , 柴胡加竜骨牡蛎湯 , 柴胡桂枝乾姜湯 , 紫根牡蛎湯 , 定悸飲 |
帰経 | 肝, 胆, 腎 |
性 | 微寒 |
味 | 鹹, 渋 |
神農本草経 | 上品 |
中医分類 | 安神薬 (重鎮安神薬) |
薬能 | 重鎮安神,潜陽補陰,軟堅散結,収斂固渋.驚悸失眠,眩暈耳鳴,瘰癧痰核,癥瘕痞塊,自汗盗汗,遺精崩帯,胃痛呑酸に用いる. |
薬徴 | 胸腹の動を主治する也。傍ら驚狂,煩躁を治す。 |
備考 | 第十八改正日本薬局方収載品. その他,Ostrea rivularis Gould, イタボガキ O. denselamellosa L., コケゴロモ O. circumpicta P., イワガキ Crassostrea belcheri Sowerby,オハグロガキ Saxostrea mordax Gould,ケガキ S. echinata Quoy et Gaimard および カキツバタガキ Pretostrea imbricata Lamarck などの左殻. 外部リンク: 民族薬物DB, metabolomics.jp, KampoDB |
参考文献 | 選品 Q1) 難波 恒雄, 津田 喜典 編: 生薬学概論 (改訂第3版), 南江堂, 東京, 1998. 主要成分 C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. II, pp. 312-313. |