商陸
(しょうりく)
生薬別名 | |
生薬ラテン名 | Phytolaccae Radix |
生薬英名 | Pokeberry Root |
科名 | ヤマゴボウ科 Phytolaccaceae |
基原 | - ヤマゴボウ Phytolacca esculenta Van Houtte (IPNI:676353-1) - ヨウシュヤマゴボウ Phytolacca acinosa Roxburgh (IPNI:676329-1) - Phytolacca americana Linné (IPNI:323290-2) |
薬用部位 | 根 |
選品 | 質が充実し、肥大根で、切り口の灰色のものが良品 (文献Q1)。 |
主要成分 | フラボンとフラボノール flavones & flavonols - Kaempferol (P. americana 葉) - Quercetin (P. americana 葉) その他の含窒素化合物 other nitrogen compounds - Betanidin (P. americana 果汁) その他 others - KNO3 - Oxymyristinic acid - Phytolaccatoxin |
薬理作用 | 下痢,腹痛(煎液).全身ちく搦,呼吸頻数,血圧上昇,心搏動数減少(phytolaccatoxin).リンパ球幼若化作用(P.Americanaの根の水抽出成分). |
臨床応用 | 利水,利尿薬として,水腫腸満,胸脇満悶,小便不利などの症状に応用する.また癰腫,瘡毒に外用する. |
頻用疾患 | 浮腫, 腹水, 尿量減少, 便秘, 皮膚化膿症 |
含有方剤 | |
帰経 | 肺, 脾, 腎, 大腸 |
性 | 寒 |
味 | 苦 |
神農本草経 | |
中医分類 | |
薬能 | 逐水消腫,通利二便;解毒散結(外用).水腫脹満,二便不通に応用し,癰腫瘡毒に外用する. |
薬徴 | |
備考 | 中国には商陸の異物同名品が多い.ヒルガオ科 (Convolvulaceae) の Ipomoea digitata L. : 福建省の一部で栽培し,その根を商陸として出荷する.広西省では野商陸と称す.ノボタン科 (Melastomataceae) の Melastoma normale D. Don : 四川省楽山専区でこの根の斜切片を商陸と称して出荷する.また Osbeckia crinita Benth. の根も混用される.これらのものには行気,活血,清熱の効があり,正條品商陸と薬効が異なる.ナデシコ科 (Caryophyllaceae) の Gypsophila dahurica Tur. : 黒龍江省で商陸に充てる.G. oldhamiana Miq. : 山西,遼寧,内蒙古,湖北省などで商陸とする.G. pacifica Komar. : 東北地区で商陸とする.これら Gypsophila 属のものは本来 「山銀柴胡」 と称すべきものである.ナス科 (Solanaceae) の Anisodus tangutica Maxim. : かつてこれの根を青海省で商陸と称し出荷し,アトロピン中毒を引き起こしたことがある.本品の土名章柳神と商陸の別名章柳根を誤って混同したためである.ショウガ科 (Zingiberaceae) の Costus speciosus (Koenig) Smith : 広東省でこの根茎を商陸と称す. 外部リンク: 民族薬物DB, KNApSAcK |
参考文献 | 選品 Q1) 難波 恒雄, 津田 喜典 編: 生薬学概論 (改訂第3版), 南江堂, 東京, 1998. 主要成分 C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. I, pp. 140-142. |