伝統医薬データベース　羌活　生薬学術情報

羌活

（きょうかつ）

入手時名称：蚕羌
撮影場所：富山大学　和漢医薬学総合研究所　民族薬物資料館
TMPW No.：13110

植物名：Notopterygium incisum
撮影場所：中国, 四川省
撮影日時：2000
撮影者：小松かつ子

生薬別名	羗活, 川羗, 西羗, 蚕羗, 頭羗, 竹節羗, 条羗
生薬ラテン名	Notopterygii Rhizoma
生薬英名	Notopterygium
科名	セリ科 Umbelliferae
基原	- Notopterygium incisum K.C.Ting ex H.T.Chang (IPNI:845199-1) - Notopterygium forbesii H.Boissieu (IPNI:845196-1)
薬用部位	根茎
選品	四川省産で根茎の形態が蚕に似た「蚕羌」が品質最良である。
主要成分	その他の脂肪族関連化合物 other aliphatic and related compounds - Falcarindiol ステロイドサポニン及びサポゲニン steroid saponins & sapogenins - Pregnenolone フェニルプロパノイド phenylpropanoids - Ferulic acid クマリン類 coumarins - Angelical (N. incisum) - Bergamottin - Bergapten - Bergaptol - Bergaptol-O-β-D-glucopyranoside (N. forbesii) - Cnidilin - Decuroside V - Demethylfuropinnarin - Isoimperatorin - Nodakenetin - Nodakenin - Notopterol - Notoptol - p-Hydroxyphenethyl anisate - 6'-O-trans-Feruloylnodakenin (N. forbesii) スチルベン系化合物 stilbenes - 4'-Hydroxy-3,5-dimethoxystilbene
薬理作用	未詳．
臨床応用	鎮痛，鎮痙，新陳代謝賦活薬として，頭痛，関節痛，リウマチ，半身不随，身体疼痛などに応用する．
頻用疾患	感冒, 悪寒, 発熱, 頭痛, 関節の腫脹・疼痛, リウマチ
含有方剤	駆風解毒散 , 荊防敗毒散 , 秦芁羌活湯 , 清湿化痰湯 , 清上蠲痛湯 , 洗肝明目湯 , 川芎茶調散 , 疎経活血湯 , 大防風湯 , 独活湯 , 二朮湯 , 分心気飲 , 麗沢通気湯 , 麗沢通気湯加辛夷
帰経	膀胱, 腎
性	温
味	辛, 苦
神農本草経	上品
中医分類	解表薬 (辛涼解表薬)
薬能	散寒，去風，除湿，止痛．風寒感冒頭痛，風湿痺痛，肩背酸痛に用いる．
薬徴
備考	第十八改正日本薬局方収載品. 韓国産の巻羌活はセリ科 (Umbelliferae) のチョウセンオニウド Ostericum koreanum Kitagawa (= Angelica koreana Maxim.) またはニオイウド O. grosseserratum Kitagawa (= A. uchiyamana Yabe) の根と根茎である. また日本産の長羌活, 巻羌活はともにシシウド Angelica pubescens Maxim. の根, 根茎であるが, 最近の和羌活はウコギ科 (Araliaceae) のウド Aralia cordata Thunb. の根の細いものである. 中国産の独活はセリ科の Angelica 属植物の根. 羌活と独活はともに去風, 勝湿の効があり, また痺を通じ, 痛を止める. 羌活は太陽経の薬で, 燥散の性質が強く, よく発表, 発汗させ, 風寒表症に適用されるべきものである. 独活は発表の効がなく, 少陰腎経の薬で, 細辛と共に用いて少陰の頭痛に効果がある. 古人は羌活は遊風を治し, 独活は伏風を治すといっており, また羌活は表に偏り, 独活は裏に偏るともいっている. 外部リンク: 民族薬物DB, KNApSAcK, metabolomics.jp, KampoDB
参考文献	主要成分 C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. I, pp. 89-91. C2) Chem. Pharm. Bull., 38, 2498 (1990).