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釣藤鈎
釣藤鈎
(ちょうとうこう)
釣藤鈎
入手時名称:釣藤鈎
撮影場所:富山大学 和漢医薬学総合研究所 民族薬物資料館
TMPW No.:16221
Uncaria rhynchophylla
植物名:Uncaria rhynchophylla
撮影場所:日本, 奈良県
撮影日時:1997
撮影者:小松かつ子

生薬別名 釣藤鉤, 釣藤
生薬ラテン名 Uncariae Uncis cum Ramulus
生薬英名 Uncaria Hook
科名 アカネ科 Rubiaceae
基原 - カギカズラ Uncaria rhynchophylla Miquel (IPNI:768297-1)
- Uncaria sinensis Haviland (IPNI:768314-1)
- Uncaria macrophylla Wallich (IPNI:768275-1)
薬用部位 鈎棘の付着した茎枝
選品 鈎刺のみのものが最上品。一般に蔓茎の細い紫色を帯びた嫩鈎の多いものが良品 (文献Q1)。
主要成分 インドール系アルカロイド indole alkaloids
- Corynantheine (U. rhynchophylla)
- Corynoxeine (U. rhynchophylla, U. sinensis)
- Dihydrocorynantheine (U. rhynchophylla)
- Geissoschizine methylether (U. sinensis)
- Hirsuteine (U. sinensis)
- Hirsutine (U. rhynchophylla, U. sinensis)
- Isocorynoxeine (U. rhynchophylla, U. sinensis)
- Isorhynchophylline (U. rhynchophylla, U. sinensis)
- Mitraphylline (U. kawakamii)
- Rhynchophylline (U. rhynchophylla, U. sinensis)
- Uncarine A (U. kawakamii)
- Uncarine B (U. kawakamii)
- 18,19-Dehydrohirsutine (U. rhynchophylla)
薬理作用 呼吸(少量,興奮;大量,抑制).抗痙攣.抗ウイルス.血管拡張,アドレナリンalpha遮断,抗不整脈,カルシウム拮抗作用.中枢セロトニン受容体阻害,鎮静作用.睡眠延長 (geissoschizine methylether),血圧降下作用 (hirsutine, isorhynchophylline).培養小脳顆粒細胞におけるグルタミン酸による細胞死抑制(フェノール画分,アルカロイド画分),脳虚血による空間学習行動障害予防(アルカロイド画分,rhynchophyllin).
臨床応用 鎮痙,鎮痛薬として,発熱による頭痛,目眩,高血圧症患者の頭痛,眩暈,脳の動脈硬化,痙攣,小児のひきつけ,癇症,高熱時の神昏などに応用する.またマラリア,リウマチにも用いる.
頻用疾患 高熱, 痙攣, 頭痛, めまい, ふらつき, 高血圧症, 脳動脈硬化症, 目の充血, ひきつけ, 癇症
含有方剤 七物降下湯 , 釣藤散 , 当帰芍薬散加黄耆釣藤 , 抑肝加芍薬 , 抑肝散 , 抑肝散加芍薬黄連 , 抑肝散加陳皮半夏
帰経 肝, 心包
微寒
神農本草経  
中医分類 熄風鎮痙薬
薬能 清熱平肝,息風定驚.頭痛眩暈,感冒挟驚,驚癇,筋肉のひきつり,妊娠子癇に応用する,高血圧症に用いる.
薬徴  
備考 第十八改正日本薬局方収載品.
台湾ではタイワンカギカズラ U. kawakamii Hayata も用いる.『中華人民共和国薬典』には『日本薬局方』収載の3種の他,U. hirsuta Havil. 及び U. sessilifructus Roxb. の鈎刺を付けた茎枝が規定される.日本市場に出回るものは主にU. rhynchophylla と U. sinensis である.江西省産など U. rhynchopylla に由来する釣藤鈎はオキシインドールアルカロイド (rhynchophylline, corynoxeine, isorhynchophylline, isocorynoxeine) のみを含有し,一方 U. sinensis に由来する釣藤鈎は主としてインドールアルカロイド (geissoschizine methylether, hirsuteine, hirsutine) を含有することが報告されており,さらに後者は産地によってオキシインドールアルカロイドを少量含むもの(貴州省産タイプ)と比較的多く含むもの(広西自治区産タイプ)があることが判っている.最近,軽,中度の脳血管性痴呆患者に対して釣藤鈎が配合された釣藤散が有効であることが二重盲検法の臨床試験で報告されている.釣藤鈎の研究は増々進むものと思われる.
外部リンク: 民族薬物DB, KNApSAcK, metabolomics.jp, KampoDB
参考文献 選品
Q1) 難波 恒雄, 津田 喜典 編: 生薬学概論 (改訂第3版), 南江堂, 東京, 1998.

主要成分
C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. II, pp. 186-187.
C2) Nat. Med., 51, 79 (1997).
C3) Nat. Med., 52, 353 (1998).
C4) Nat. Med., 53, 308 (1999).
遺伝子領域
Gene Region
Nuclear Chloroplast Mitochondria
基原 5Ss 18S ITS1 5.8S ITS2 26S others trnH-psbA matK trnK trnK-rps16 trnT-L trnL trnL-F rbcL rpoC1 ndhF others
Uncaria sinensis Haviland (IPNI:768314-1)
Uncaria macrophylla Wallich (IPNI:768275-1)
Uncaria rhynchophylla Miquel (IPNI:768297-1)
ETS
 AJ812080
rps16
 AB178637
 

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