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阿膠
阿膠
(あきょう)
阿膠
入手時名称:阿膠
撮影場所:富山大学 和漢医薬学総合研究所 民族薬物資料館
TMPW No.:11050

生薬別名 山東阿膠, 玉阿膠
生薬ラテン名 Asini Corii Collas
生薬英名 Donkey Glue
科名 ウマ科 Equidae
基原 ロバ Equus asinus Linné (GBIF:2440891)
薬用部位 毛を去った皮,骨,けん又はじん帯を水で加熱抽出し,脂肪を去り,濃縮乾燥したもの
選品 黄色で琥珀のように透明のものや、暗赤色でもすき透っていて、夏でも軟化しないものが良品とされる (文献Q1)。
主要成分 ペプチド peptides
- Collagen
- Glutin
薬理作用 血液凝固促進作用
臨床応用 補血,止血を目的として,出血,吐血,喀血時に内服する.また咳嗽にも応用する.
頻用疾患 鼻出血,喀血,吐血,血尿,血便,不正性器出血,月経過多,咳そう,乾咳,少痰,痰に血が混ざる,呼吸捉迫,口渇,頭のふらつき,めまい,動悸,焦燥,不眠,熱感,筋肉のひきつり,盗汗
含有方剤 温経湯 , 黄土湯 , 黄連阿膠湯 , 芎帰膠艾湯 , 杏蘇散 , 炙甘草湯 , 猪苓湯 , 猪苓湯合四物湯
帰経 肺, 肝, 腎
神農本草経 上品
中医分類 補養薬 (補血薬)
薬能 補血滋陰,潤燥,止血.血虚萎黄,眩暈心悸,肌痿無力,心煩不眠,虚風内動,肺燥咳嗽,労嗽喀血,吐血尿血,便血崩漏,妊娠胎漏に用いる.
薬徴 諸血証を主治す。故に心煩して眠るを得ず者を兼治する。
備考 日本薬局方外生薬規格2018収載品.
中国山東省産の「山東阿膠」が良品である.日本産の阿膠は,ウシ,ブタ,クジラなどの皮,骨,腱,結合組織を原料として製しているが,一般にウシの皮,骨が多く用いられる.主に工業用膠であり,薬用に適さない.それ故,日本では阿膠の代わりにゼラチン(GELATINUM)がしばしば用いられる.「玉阿膠」は膠の小片を熱を加えて膨らましたもので,原料膠の品質が不明であり,また高熱を加えているため,阿膠として用いるのは不適当と考えられる.「鹿角膠」や「鹿茸膠」は鹿角や鹿茸から製した膠で,上品である.薬効は阿膠とやや異なり,温補肝腎,益精養血薬として,陽痿滑精,腰膝酸冷,虚労羸痩,崩漏下血,便血尿血,陰疽腫痛に応用する.
外部リンク: 民族薬物DB, metabolomics.jp, KampoDB
参考文献 選品
Q1) 一色 直太郎 編: 和漢薬の良否鑑別法及調製法, 吐鳳堂書店, 東京, 1987.

主要成分
C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. II, pp. 320-321.
 

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