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柴胡
柴胡
(さいこ)
三島柴胡 入手時名称:三島柴胡
撮影場所:富山大学 和漢医薬学総合研究所 民族薬物資料館
TMPW No.:15455
Bupleurum chinense or Bupleurum falcatum 植物名:Bupleurum chinense or Bupleurum falcatum
撮影場所:中国, 甘粛省
撮影日時:2010
撮影者:小松かつ子

生薬別名 北柴胡,津柴胡,植柴胡
生薬ラテン名 Bupleuri Radix
生薬英名 Bupleurum Root
科名 セリ科 Umbelliferae
基原 ミシマサイコ Bupleurum falcatum Linné (IPNI:839147-1)
薬用部位 根あるいは全草
選品 根が大きく,潤いがあり,地上茎や葉の残片が少ないものが良品 (TN).
主要成分 脂肪酸 Fatty acids:
Stearic acid, Oleic acid, Linolic acid, Linolenic acid

糖質 Sugar:
Adonitol

トリテルペノイド Triterpenoids:
Saikogenin E, Saikogenin F, Saikogenin G;
B. falcatum: Prosaikogenin F, Prosaikogenin G, Prosaikogenin A, Prosaikogenin D, Saikogenin F, Saikogenin G, Saikogenin A, Saikogenin D, Saikogenin E

トリテルペン系サポニン Triterpenoid saponins:
Saikosaponin a, Saikosaponin b, Saikosaponin c, Saikosaponin d, Saikosaponin e, Saikosaponin f;
B. falcatum: Saikosaponin a, Saikosaponin d, Saikosaponin b1, Saikosaponin b2, Saikosaponin c

ステロール Sterols:
α-Spinasterol, Stigmasterol, ⊿7-Stigmastenol, ⊿22-Stigmastenol
薬理作用 粗サポニン分画:中枢抑制,鎮痛,鎮咳,解熱,抗炎症,ストレス性潰瘍抑制,利尿.Saikogenin A:中枢抑制,鎮痛,鎮咳,解熱,抗炎症.メタノール可溶・水可溶分画:鎮痛,抗潰瘍.Saikogenin A,D:抗炎症,肝蛋白合成促進,肝グリコーゲン量増加,コレステロール・トリグリセロール・リン脂質濃度上昇抑制.
臨床応用 解熱,解毒,鎮痛,消炎薬として,胸脇苦満(胸脇部の圧痛),寒熱の往来(マラリアなどの周期熱),黄疸,慢性肝炎,慢性腎炎,代謝障害などに応用する.漢方医学でいう少陽病の主薬である.
頻用疾患 肝硬変, 発熱, 往来寒熱, 口が苦い, 憂欝, いらいら, 胸脇が張って痛む, 月経不順, 慢性下痢, 脱肛下血, 子宮下垂
含有方剤 延年半夏湯 , 黄耆別甲湯 , 乙字湯 , 乙字湯去大黄 , 解労散 , 加味帰脾湯 , 加味解毒湯 , 加味逍遙散 , 加味逍遙散加川芎地黄 , 荊芥連翹湯 , 荊防敗毒散 , 柴葛解肌湯 , 柴葛湯加川芎辛夷 , 柴陥湯 , 柴梗半夏湯 , 柴胡加芒硝湯 , 柴胡加竜骨牡蛎湯 , 柴胡枳桔湯 , 柴胡桂枝乾姜湯 , 柴胡桂枝湯 , 柴胡清肝湯 , 柴胡疎肝湯 , 柴芍六君子湯 , 柴蘇飲 , 柴朴湯 , 柴苓湯 , 四逆散 , 小柴胡湯 , 小柴胡湯加桔梗石膏 , 逍遙散 , 神秘湯 , 滋陰至宝湯 , 滋腎通耳湯 , 十味敗毒湯 , 浄腑湯 , 秦芁羌活湯 , 秦芁防風湯 , 清肌安蛔湯 , 清熱補血湯 , 大柴胡湯 , 大柴胡湯去大黄 , 竹茹温胆湯 , 補中益気湯 , 抑肝加芍薬 , 抑肝散 , 抑肝散加芍薬黄連 , 抑肝散加陳皮半夏
帰経 心包, 肝, 三焦, 胆
微寒
神農本草経 上品
中医分類 解表薬
薬能 疏散退熱,舒肝,升陽.感冒発熱,寒熱往来,マラリア,胸脇脹痛,月経不調,子宮脱垂,脱肛に用いる.
薬徴 胸脇苦満を主治する也。傍ら往来感熱,腹中の痛,脇下の痞こうを治す。
備考 第十七改正日本薬局方収載品.
『中華人民共和国薬典』(2015)では中国産柴胡として,Bupleurum chinense DC. (マンシュウミシマサイコ)及び B. scorzonerifolium Willd. (ホソバミシマサイコ)の乾燥した根が規定され,前者を「北柴胡」,「津柴胡」,後者を「南柴胡」,「紅柴胡」と称する.
『日本薬局方』(14局第1追補)では中国産の B. chinense 及び B. scorzonerifolium は B. falcatum の地域変異で,同一種であるとする説を採用し,B. falcatum の根であると規定している。
外部リンク: 民族薬物DB
参考文献 TN: 難波恒雄, 津田喜典編集, 『生薬学概論』, 改訂第3版, 南江堂, 東京, 1998.
遺伝子領域
Gene Region
Nuclear Chloroplast Mitochondria
基原 5Ss 18S ITS1 5.8S ITS2 26S others trnH-psbA matK trnK trnK-rps16 trnT-L trnL trnL-F rbcL rpoC1 ndhF others
Bupleurum falcatum Linné (IPNI:839147-1)
rps16
 AF110566
Bupleurum chinense De Candolle (IPNI:839099-1)