地黄
(じおう)
入手時名称:地黄 撮影場所:富山大学 和漢医薬学総合研究所 民族薬物資料館 TMPW No.:13598 |
植物名:Rehmannia glutinosa 撮影場所:日本, 奈良県 撮影日時:1997 撮影者:小松かつ子 |
生薬別名 | 乾地黄, 懐慶地黄, 生地黄, 生地 |
生薬ラテン名 | Rehmanniae Radix |
生薬英名 | Rehmannia Root |
科名 | ゴマノハグサ科 Scrophulariaceae |
基原 | - アカヤジオウ Rehmannia glutinosa var. purpurea Makino - Rehmannia glutinosa Steudel (IPNI:808644-1) |
薬用部位 | 塊状根 |
選品 | 外皮が灰色で内部が紫黒色で味が甘く少し苦く、肥えた大きなものがよい (文献Q1)。 |
主要成分 | 脂質 lipids - Cerebroside - Jio-cerebroside 糖質 sugar - Manninotriose - Verbascose 単糖類 monosaccharides - D-Fructose - D-Galactose - D-Glucose - Mannitol 少糖類 oligosaccharides - Raffinose - Stachyose - Sucrose モノテルペノイド monoterpenoids - Aucubin - Catalpol - Leonuride - Melittoside - Rehmaionoside A - Rehmaionoside B - Rehmaionoside C - Rehmaionoside D - Rehmannioside A - Rehmannioside B - Rehmannioside C - Rehmannioside D カロテノイド及びビタミンA carotenoids & vitamin A - Vitamin A ステロール sterols - β-Sitosterol フェノール系化合物 phenol derivatives - Acteoside アミノ酸 amino acids - Arginine その他 others - 鉄 |
薬理作用 | 血糖降下,強心,血圧上昇,利尿(エキス).瀉下,利尿(catalpol). |
臨床応用 | 涼血,補血,強壮,清熱薬として,吐血,煩渇及び精神不安などに応用する. |
頻用疾患 | 発熱, 口渇, 便秘, 咽痛, 吐血, 鼻出血, 血尿, 血便, 不正性器出血, 出血, 皮下出血, 多飲 |
含有方剤 | 痿証方 , 温清飲 , 黄耆別甲湯 , 黄土湯 , 加減涼膈散(龔廷賢) , 葛根紅花湯 , 加味温胆湯 , 加味四物湯 , 加味逍遙散加川芎地黄 , 甘露飲 , 芎帰膠艾湯 , 芎帰調血飲 , 芎帰調血飲第一加減 , 荊芥連翹湯 , 杞菊地黄丸 , 牛車腎気丸 , 五淋散 , 柴胡清肝湯 , 三物黄芩湯 , 七物降下湯 , 四物湯 , 炙甘草湯 , 消風散 , 神仙太乙膏 , 滋陰降火湯 , 滋血潤腸湯 , 滋腎通耳湯 , 滋腎明目湯 , 十全大補湯 , 潤腸湯 , 清熱補血湯 , 洗肝明目湯 , 疎経活血湯 , 大防風湯 , 知柏地黄丸 , 猪苓湯合四物湯 , 当帰飲子 , 独活葛根湯 , 人参養栄湯 , 八味地黄丸 , 味麦地黄丸 , 竜胆瀉肝湯 , 連珠飲 , 六味丸 |
帰経 | 心, 肝, 腎 |
性 | 寒 |
味 | 甘, 苦 |
神農本草経 | 上品 |
中医分類 | 補血薬 |
薬能 | 清熱涼血,養陰,生津.熱病舌絳煩渇,陰虚内熱,骨蒸労熱,内熱消渇,吐血,衄血,発斑発疹に用いる.(生地黄) |
薬徴 | |
備考 | 第十八改正日本薬局方収載品. 日本ではアカヤジオウに由来する地黄はほとんど市場性がない.奈良県でわずかに系統保存のための栽培が行われている.フクチヤマ1号(カイケイジオウ×アカヤジオウ)が開発されている.中国ではカイケイジオウの新鮮な根を鮮地黄,乾燥したものを生地黄(日本でいう乾地黄),蒸して乾燥したものを熟地黄と称す.熟地黄は黄酒(紹興酒など)を用いるかまたはそのまま蒸し器で蒸し,その後日光で乾燥する.「蒸す-乾燥」の操作を9回繰り返す.乾地黄,生地黄は清熱涼血薬として熱証に用い,熟地黄は補血薬として虚寒証に用いる. 外部リンク: 民族薬物DB, KNApSAcK, metabolomics.jp, KampoDB |
参考文献 | 選品 Q1) 一色 直太郎 編: 和漢薬の良否鑑別法及調製法, 吐鳳堂書店, 東京, 1987. 主要成分 C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. I, pp. 63-64. C2) 生薬概論, p. 229. |
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