麻黄
(まおう)
入手時名称:麻黄 撮影場所:富山大学 和漢医薬学総合研究所 民族薬物資料館 TMPW No.:18571 |
植物名:Ephedra sinica 撮影場所:モンゴル国 撮影者:小松かつ子 |
生薬別名 | |
生薬ラテン名 | Ephedrae Herba |
生薬英名 | Ephedra Herb |
科名 | マオウ科 Ephedraceae |
基原 | - Ephedra sinica Stapf (IPNI:383460-1) - Ephedra intermedia Schrenk et C.A.Meyer (IPNI:383409-1) - Ephedra equisetina Bunge (IPNI:928049-1) |
薬用部位 | 緑色若枝を乾燥したもの |
選品 | 帯緑色を呈する新鮮なものがよい (文献Q1)。 |
主要成分 | その他の脂肪族関連化合物 other aliphatic and related compounds - Nonacosan - Nonacosan-10-ol - Tricosan-1-ol タンニン tannins - d-Catechin - l-Epicatechin - l-Epigallocatechin - l-Gallocatechin - それらの2量体と3量体 アルカロイド alkaloids - Ephedroxane イソキノリンアルカロイド isoquinoline alkaloids - Ephedrine - Methylephedrine - Pseudoephedrine - d-N-Methylpseudoephedrine - d-Norpseudoephedrine - (-)-Norephedrine |
薬理作用 | 鎮咳,抗アレルギー作用(水,エタノールエキス),交感神経興奮(血圧上昇,気管支拡張,散瞳,発汗),中枢性鎮咳作用(ephedrine),抗炎症作用(pseudoephedrine). |
臨床応用 | 発汗,解熱,鎮咳,鎮痛薬として,皮膚の排泄機能障害による呼吸困難,喘咳,喘息,悪寒,身体疼痛,骨節痛などに応用する. |
頻用疾患 | 呼吸困難, 咳嗽, 悪寒, 発熱, 無汗, 頭痛, 身体痛, 関節痛, 感冒, インフルエンザ, 気管支炎, 肺炎, 気管支喘息 |
含有方剤 | 烏頭湯 , 烏薬順気散 , 越婢加朮湯 , 越婢加朮附湯 , 越婢加半夏湯 , 越婢湯 , 華蓋散 , 葛根加朮附湯 , 葛根加半夏湯 , 葛根湯 , 葛根湯加川芎辛夷 , 甘草麻黄湯 , 杏蘇散 , 桂姜棗草黄辛附湯 , 桂枝越婢湯 , 桂枝芍薬知母湯 , 桂枝二越婢一湯 , 桂枝二越婢一湯加朮附 , 桂麻各半湯 , 五虎湯 , 五積散 , 柴葛解肌湯 , 柴葛湯加川芎辛夷 , 小青竜湯 , 小青竜湯加杏仁石膏 , 小青竜湯加石膏 , 小続命湯 , 神秘湯 , 秦芁羌活湯 , 続命湯 , 大青竜湯 , 独活葛根湯 , 防風通聖散 , 麻黄加朮湯 , 麻黄湯 , 麻黄附子甘草湯 , 麻黄附子細辛湯 , 麻黄連軺赤小豆湯 , 麻杏甘石湯 , 麻杏薏甘湯 , 射干麻黄湯 , 薏苡仁湯 , 麗沢通気湯 , 麗沢通気湯加辛夷 |
帰経 | 肺, 膀胱 |
性 | 温 |
味 | 辛, 微苦 |
神農本草経 | 中品 |
中医分類 | 解表薬 |
薬能 | 発汗散寒,宣肺平喘,利水消腫.風寒感冒,胸悶喘咳,風水浮腫,気管支哮喘に応用する. |
薬徴 | 喘咳,水気,を主治する也。傍ら悪風,悪寒,無汗,身疼,骨折痛,一身黄腫を治す。 |
備考 | 第十八改正日本薬局方収載品. 根は「麻黄根」と称し,地上部とは逆に止汗作用があるとされ,ephedradine類が単離証明されている.日局17ではE. sinica, E. intermedia 及び E. equisetinaの地上茎が規定され,総アルカロイド(エフェドリン及びプソイドエフェドリン)0.7%以上を含むこととされる.E. distachya は E. sinica と同一種であるという説がある.中国では1998年に「エフェドリン類製品の輸出管理問題に関する通知」(対外経済貿易管理局発第573号)が出され,これによれば「麻黄草資源を保護すると同時に,砂漠化現象の拡大を防止するため,麻黄草の輸出を禁止する」とあり,現在中国から生薬の麻黄を輸入することは難しくなってきている. 外部リンク: 民族薬物DB, KNApSAcK, metabolomics.jp, KampoDB |
参考文献 | 選品 Q1) 難波 恒雄, 津田 喜典 編: 生薬学概論 (改訂第3版), 南江堂, 東京, 1998. 主要成分 C1) 和漢薬百科図鑑 Vol. II, pp. 53-57. C2) 生薬学概論, p. 341. |
遺伝子領域
Gene Region | |||||||||||||||||||
Nuclear | Chloroplast | Mitochondria | |||||||||||||||||
基原 | 5Ss | 18S | ITS1 | 5.8S | ITS2 | 26S | others | trnH-psbA | matK | trnK | trnK-rps16 | trnT-L | trnL | trnL-F | rbcL | rpoC1 | ndhF | others | |